人生において本当の『切なさ』を教えてくれた人
とっても印象深い、記憶に残る女性だった。
口数は少なかったし、質問さえほとんどしてこない。
僕が聞いたことに対し、言葉を選びながら、控えめに答えてくれるだけ。
とても物静かで、どこか物悲しい雰囲気を纏っていて。
でもとても芯があって、凛としていて、強い人だった。
外見と態度とは裏腹に、実はとっても女の子らしくて、本当は弱さもあって、
全然素直じゃなかったけど、誠実で、優しくて、思いやりに溢れてて。
そんな彼女が本当に大好きだった。
当時はどうしても結ばれない関係性の中で、
距離を縮める事は出来なくて、歯痒くて、本当に辛かった。
もう恋なんてしたくないとさえ思った。
人生において本当の『切なさ』を教えてくれた人
彼女は自分をどう思っていたか、確信は持てなかったけど、
淡い気持ちくらいは持ってくれていたのではないかって、
都合良く記憶に閉じ込めている。
とにかく僕は本気で彼女に恋をしていた。
今なら分かる。
辛さも切なさも全部ひっくるめて、
彼女を愛していたし、
素晴らしい恋だったって。
友達になれるタイプの子ではなかったから、
今どこで何をしているか分からないけれど、
幸せであることを、心の底から願っている。